虹の向こう

アイドルと共にともに。

冬眠する熊さんに添い寝してきた

1月19日、渋谷シアターコクーンにて上演された『冬眠する熊に添い寝してごらん』を観劇してきました。
上田くんにとって、初めての蜷川さん演出の舞台です。

約4時間の舞台を観て、何だかとにかく重い物をずしっと背負って帰ってきました。

感想というのか、少しでも自分が感じたことを何か文章にして残したいと思いながらも浮かぶ言葉にポジティブさが感じられず…。時間を置いて消化したら何か見えてくるかなと思ったのですが、一向に変化がないため、これがありのままの感想なんでしょう。

あらすじを読んだ時から不安に思っていた通り。
やはり4時間観劇しても舞台をさっぱり理解できませんでした。且つ、その理解できないことを楽しむこともできなかった…寂しい限りです。
前日に観劇した「ジャニーズトニトニワールド」も理解できないという点では同じだったのですが、こちらはそれも楽しいと思える舞台でした。
脚本を書かれた古川さんが「演劇に対する挑戦として少々乱暴に書いた」とされる本が、私にはどうにも居心地が悪かった。普段ジャニーさんの書くトンチキ舞台に草を生やしてばかりいるものの、こちらは常にお客様目線に立ったエンターテイメント。そちらに慣れ切っている身としては、いかに今まで優しく甘やかされてきたのか思い知ったようでした。
でも、だからこそ私はエンターテイナーであるアイドルが好きで、いわゆるミュージシャン、ダンサー、俳優とされる人たちを担当にできないんだなと思います。(一括りにできないと思いますがあえて一括りにしました。)そしてこれは完全に私の個人的な好みです。

個人的な好みには合致しなかった舞台でしたが、上田くんのお芝居にはとても感動しました。たくさんのキャリアある俳優さんの中において、文字通り全身全霊、必死で演じていました。多根彦くんの台詞は台詞でなく、多根ちゃんの言葉ひとつひとつでした。二幕ようやく出てきたと思ったら狂いきっていた多根ちゃん。狂いきったままがんがんまくし立ててフラフラとはけて行ったときには絶望しかありませんでした。
カーテンコールでも、井上さんや勝村さんが談笑する中、上田くんは魂が抜けたような心ここにあらずな表情をしていました。狂った後なんだからそりゃそうでしょう。こちらも絶望を胸に抱えたままたくさん拍手を送りました。カウントダウンコンサートで見たときから明らかに痩せこけた頬に、居たたまれない気持ちになりました。

東京、大阪とすべて公演が終了し、千穐楽には上田くんが井上さんにおぶさり喜ぶ姿も見られたそうで!現実の二人には今後も微笑ましい交流が続くと良いなぁと願っています。井上さんの演技は安定しており、舞台上で明るさの象徴でした。
杏ちゃんは子役の頃の印象がずっと抜けきらなかったのですが、まぁ大人になって…!最初の台詞を聞いたとき杏ちゃんの声ではないみたいだった。でも相変わらず綺麗で可愛い女性でした。
埼玉のおばあちゃんたち、上田くんを多根ちゃん多根ちゃんと可愛がってくださったそうでありがとうございました。
蜷川さんの演出はとにかく度肝を抜かれました。回転寿司のシーンは楽しくて唯一の癒やしでした。(多根ちゃんほとんど出てないけど…。)今度は脚本も私好みの舞台で蜷川さんの演出を見てみたいなぁと思いました。この度は上田くんを抜擢してくださって本当にありがとうございました。長生きしてください。(私信)

キャストの皆さん、スタッフの皆さん長い間お疲れさまでした。ゆっくり休んでください!

舞台で使用されていた曲を聴きながら。

http://www.youtube.com/watch?v=dXEMncRh8r0&feature=youtube_gdata_player